「地域」と「人間」の背丈に合った方向で革新的技術を取り入れ、 農業を復権しようという意欲に燃えた青年たちよ、来たれ! |
1 当校は、2018年に創立80周年を迎える我が国でも最も伝統ある農業実践大学校です。総面積約270ヘクタールの広大で平坦なフィールドを擁し、実地に農業経営を実践できる全国でも稀有な農業実践教育施設であり、全国から学生が入学しています。
現場からのオープンイノベーションによる革新的技術の実証・開発と相まって、学生は各種プロジェクト研究に積極的に取り組んでいます。
八ヶ岳連峰を望み、農場と森林(約100ヘクタール)に抱かれた風光明媚な地に原村と茅野市にまたがって立地し、当校の中央を通る御柱街道から諏訪大社に向け「御柱」(おんばしら)が出発します。
2 当校は、セロリ、レタス、ブロッコリー、ハクサイ、キャベツ、ホウレンソウ等の高原野菜、トマト、ナス,ピーマン等の果菜類、ジャガイモ、スィートコーン等の畑作物、飼料作物、牧草(草地約100ヘクタール)のほか、シクラメン、ベゴニア、プリムラ等の鉢花、花壇用苗、ハーブ類等を栽培しています。
乳牛145頭、採卵鶏1万羽等家畜の飼養や牛乳・アイスクリーム・チーズ・ヨーグルト等の乳製品加工をし、農畜産物を多様なルートで流通させるとともに、直売所でも販売しています。
小中学生、高校生を対象に毎年、農林体験学習に約1万5千人を受け入れ屢とともに、社会人の短期研修等も行っています。
3 新たな取り組みとして、
平成26年度以降、
① 産学連携によるIT農業基地の確立
・データセンターやセンサーを了したスィートコーンの収穫適期予測システム)(日立ソリューションズ東日本との連携)、
・リモートセンシング(ドローン)及び高精細カメラ等の活用によるセロリの芯腐れ早期検知の実証(日立ソリューションズ東日本等との連携)
・簡易センサーを使用した野菜ハウスの温度管理の大学との共同研究(東京理科大学との連携)
② 世界でも類例のない移動式搾乳機を使った放牧酪農への転換の推進(山梨県酪農試験場等とコンソーシアム)(平成26~27年度)
③ 幼児への食育を狙いに保育者等を対象とした滞在型農林体験研修の展開(平成26~27年度)
④ 菌床キノコ栽培の開始(早稲田大学との連携)
⑤ 中小企業等の持つ先進的シーズ技術の実証等を通じ、地域と人間の背丈に合った方向の現場からの農業のオープンイノベーション(「八ヶ岳フォーラム」の開催)
平成28年度以降、
① 移動式搾乳機の小型化・軽量化、泥濘化への対応等の実証による放牧酪農の地域への展開(平成28~30年度)
② ファインバブル,植物発酵・イオン化液等を活用した畜産糞尿の悪臭防止と良質堆肥生産の実証や農畜連携の循環型農業モデルの構築(鹿児島大学、八ケ岳フォーラム参加企業とコンソーシアム)(平成28~30年度)
③ 子どもの心身を守り育てる保育者等の職種を対象とした滞在型農林体験研修や、子どもの参加する滞在型の農林体験キャンプ等(平成28~29年度)
平成30年度以降(検討)
① 東京オリンピック・パラリンピックの開催等に備え、G-GAPの認証取得や夏場の花卉供給体制の整備のための取り組み
② 子どもの心身を守り育てることを狙いとした保育者等農林体験研修の実施等「農泊」の推進と連携した取り組み
③ 機能士等の活用と合わせた平場養鶏の開始
④ ジャージー牛の放牧とソフトクリームのブランド化
⑤ 江戸千住ネギ(固有種)等の栽培実証
⑥ 減圧平衡発熱乾燥法の活用による規格外野菜の濃縮粉末製品化(検討)
⑦ 電子機能水やファインバブル水等の活用による減農薬・低コスト農業の実証(検討)
⑧ AI、IoT等の活用による農産物の生産・流通システムの構築等
*農林技術アカデミーの実施
土壌・ミネラル・微生物・動植物・人間等の循環を踏まえた生物学的農業の構築を視野に、最新・最高の生きた科学技術を論じ対話し、「地域」と「人間」の背丈に合った技術の現場からのオープンイノベーションに資する「農林技術アカデミー」の実施(平成29年度~)
「モデルフォレスト活動センター」の併設についても検討。